ユーロのピアニスト (その2)

2013-06-12

Claes Crona / スエーデン

Crown Jewels
    同国のスエーデンのスベンソン (E.S.T.) とは対照的に、ベテランピアニストらしく、スタンダードを中心に、オリジナルも交えフォービートでガンガン迫って来ます。ウンウンと唸りながらのノリはユーロの白人と言うよりも、むしろ黒人的なグルーブ感あふれたもので、大いに楽しませてくれます。人気ピアニストなのでしょう、この後も何枚か出ていて、どれも安定した出来栄えの作品となっていますが、中でも一番ノリノリなこのアルバムをご紹介しておきます。

Helge Lien / ノルウェー

To the Little Radio
    日本企画によるスタンダード集でこのアルバムは良く売れました、それだけ良いアルバムであるとご紹介しておきます。スタンダードをやっているとは言ってもいわゆるフォービートとは言い難く、ユーロらしい斬新なノリとリズムが新しいピアノ・トリオのスタイルを志向しています。それでいて良くスイングしているから面白いのです。
    もっとも彼の本筋はこのアルバムのようなスタンダード物では無く、多分にクラシカルの素養を持ったオリジナル曲に徹していて、このアルバムだけが例外だと思ってください。
    このアルバム前後に何枚ものアルバムが出ていますがいずれもその手のアルバムです。この手のトリオはE.S.T.のスベンソンもそうでしたし、フランスのジャン・フリップ・ヴィレのトリオもまた同じように極めてクラシカルなもので、これをジャズだとは言わない人がいても不思議ではないでしょう。やっているかれらもまたジャズをやっているという意識は無いかもしれません。
    ワールドワイドな現代的ピアノ・トリオの音楽をやっている、としか言えそうにありません。なお、このアルバムの録音は、音質ではナンバーワンと言われるオスローのレインボー・スタジオで、コングハウグの手によって録られています。リエンの音楽的特質が名エンジニアの技量のもとに活かされ、音質的にも素晴らしいアルバムになっていますので、オーディオにうるさい方にもお勧めいたします。広帯域で空気感と透明感があり、幾分か余韻のあるホール・トーンがこの手のピアニストにピッタリと合っているのです。