ユーロのピアニスト (その3)

2013-08-18

武冨さん (鑑賞部 ’68) から


今回もベテランから中堅まで各国のピアニストをご紹介しましょう。

ご紹介に国別の偏りが出るのは、ジャズの盛んな国もあればそうでもない国もあることをお許しいただきます。

Enrico Pieranunzi / イタリア

Dream Dance (CAM Jazz CAMJ7815-2)
    イタリアを代表するベテランピアニスト。
    90年代から大人気となり多くのアルバムが紹介されてきましたが、これはすべて彼のオリジナル曲ばかりで構成されています。
    それ故に大いなる意欲のもとに斬新なアイデアで作られているのですが、フリーとかアバンギャルド性とは無縁ですから、あくまでも従来のジャズの流れの中でのジャズを安心してお楽しみいただけます。
    スタンダードが聞きたい向きには、他のアルバムを適宜あたってもらえば外れることなく、どのようなアルバムでも彼の世界を十分楽しめます。
    なお今やユーロを代表するベーシストとなったMads Vindingがリーダーを務めドラムスにAlex Rielを配した強力布陣による『The Kingdom』(Stunt Records STUCD 19703) をお勧めいたします。
    ベースを学んでいらっしゃる方にはPedersen亡きあとの逸材が演じるテクが参考になるでしょう。

Georges Arvanitas / フランス

Rencontre (Sony Records SRCS8624)
ギリシャ系フランス人の超ベテラン・ピアニスト。
    70年代に大活躍した人なので学生の皆さんは思い出さない方もあるでしょう。
    当時日本では大いに評判をとったピアニストで日本にも来ています。
    また多くのアメリカの有名プレイヤーと共演をしていますので、それらのアルバムでご存知の方もあるでしょう。
    久しぶりの録音 (1997年) でいい味を出しているのもベースとドラムスにアメリカのIra Colemanと Joe Chambersを迎えたからかもしれません。
    このアルバムでは1曲だけケイコ・リーが歌っています。

Kasper Villaume / デンマーク

Footprints (Marshmallow MMEX-109)
    コテコテのハード・バッパーというとこの人抜きでは語れません。
    このアルバムを聞いていると、フォービートでノリノリになってジャズを楽しむことの喜びが感じられるのです。
    そうは言ってもやはりユーロの人でその教養からリリカルなピアノも聞かせます。
    オリジナルとスタンダードが適宜に入っていることも楽しみの一つで、皆さんご存知のShorterの表題曲が彼なりの編曲と解釈でこのアルバムを一層面白くしています。
    ついでに彼がリーダーのワン・ホーン・カルテットアルバムをご紹介します。
    ニューヨクで大活躍のChris Potter (ts)、Chris Minh Doky (b)、Ali Jackson (ds) という超強力な仲間を得てのアルバムHands (Stunt Records STUCD 05122) が素晴らしく、これぞアメリカン・ハードバップの極みで、今大人気のイタリアのハード・バッパーFabrizio Bosso (tp) やFrancesco Cafiso (ts) なんて何するものぞ、とばかり、大いにやらかしてくれます。
    是非ご一聴を願います。