ユーロのピアニスト (その4 最終回)

2013-08-31

Vincenzo Danise / イタリア

Immaginando un trio – vol. 1 (Radar 40009)
    初めて聞いた時からスピーカーから流れて来る音に驚きました。
    確かにBill EvansやKeith Jarrett系の叙情派のピアノと言えばその通りなのですが、左手を巧みに使った色彩豊かなメロディーとそのタッチはクラシカルな素養から溢れ出てくるものなのです。
    E.S.T.のSvenssonの影響を思わせる曲もあって面白く聞かれます。
    オーディオ・フアンから見ても音の良いアルバムとして紹介できます。
    パッケージは、CDには最高のジャケットとも言うべき厚紙の体裁で、中身も20頁に及ぶガイドがあるのですがイタリア語ですからこれは何を書いてあるのか残念ながら分かりません。
    このような立派なパッケージでは、通常の価格で売っても採算が合わないという贅沢なものです。
    表紙のモノクロ写真は彼がピアノに向かっているのですが、まるでクラシカルのCDかと思うようなアルバムとなっています。
    このCDのパッケージの豪華さに思わず手にして買ってしまったのが実情でしたが、中身も素晴らしいアルバムだったのです。
    良く売れたアルバムでもあります、Vol. 2を期待して待っているのですが残念ながら今現在は出ていません。

Roy Powell / ノルウエー (イギリス出身)

Solace (Nagel Heyer NH2036, 寺島レコードTRI004)
    元々はNagel Heyerのアルバムですが、私が求めたのはピアノ大好き御仁の寺島レコードから再出版されたものです。
    寺島氏の推薦アルバムだから間違いは無いだろうという動機だったのですが、これは本当に素晴らしいアルバムで、この手のピアノ・ジャズもあったのかと思わずにはいられません。
    全曲ミディアムからスローばかりですが、一曲当たりは長すぎることなく数分で終えることからダレルこともなく、丁度良い長さの美メロ・ワールドが展開されています。
    この後『Napoli』(Tapas, ガッツ・プロダクション TPRD002) というアルバムが出ました。
    パッケージの写真が凄いのです、女がスパゲティーを大口に頬張って、どちらかと言えばゲテモノCD風ですが、中身は極めて真っ当な良いアルバムです。
    イタリアに行き当地の名曲を地元のベースとドラムスのサポートを得て作ったもので、『Solace』に比べイタリアらしい明るさと軽快なリズムで親しみやすいジャズが楽しめます。