もともと本旅行は上記3人に小西勝明(鑑68年卒)を加えた4人で計画を練っていたものですが、小西が急遽仕事の都合で参加不可となり、染井氏が代役で参加いただくことになったものです。小西さんさぞや残念だったことでしょう。そして結果から言うと、本当に良い機会を逃しました。なお今回の旅行を段取りしてくれた旅行社のアレンジで、引率としてぽっちゃり秋田美人の二田綾子嬢(通称;綾ちゃん。東京芸大音楽科卒、キューバに留学、修論にキューバ音楽を書き、キューバ音楽CDのプロデュース多数あり)が付き合ってくれました。旅行の主目的は無論音楽。ハバナでのタンボールフェスティバル、サンチャゴデクーバでのトローバフェスティバル参加が目玉ですが、ゲバラとカストロが起こした革命の国を感じてみたいという団塊世代の思いもありまして、いろいろです。無論、キューバ料理+酒というのもありました。
まずざっと旅程を書きますと、全員メキシコのカンクンから3月10日にハバナ入り、ハバナ(2泊)→トリニダ(1泊)→ハバナ(2泊)→サンチャゴデクーバ(グアンタナモ日帰りを含み計3泊)→ハバナ(1泊)、と全行程10日間、カンクン帰着は3月19日でした。キューバはまだ交通の便が悪く、移動に余分な時間がかかってしまいます。そこがでも、また今のキューバの良さかもしれません。
カンクンからキューバ到着は夕方7時ごろとなりましたが、第一夜はHotel Nacional(ハバナで一番格式高いホテル)でのOrquesta Enrique Jorrinディナーショーから始まりました。Enrique Jorrín(故人)はチャチャチャの創始者で50年代に数々のヒットを飛ばした人です。今は彼の名前を冠したバンドが活躍してます。そのフルート奏者Juaquín Oliverosは綾ちゃんのフルートの先生です。そして11時ごろにショーが終わるとこれからがハバナの夜本番、12時から始まるPupy y Los Que Son Sonのライブを聞きにCase de la Músicaへ。 ”Pupy” César PedrosoはキューバきってのサルサバンドLos Van Vanを長年リードしてきたピアニスト。音楽はティンバとも呼ばれるアップビートなサルサ系で、ともかく踊りを誘います。周りは皆キューバンで、我々は圧倒されながらも、セニョリータを眺め、お話などを少しして、2時ごろホテル帰着。初日から全開です。
翌日は取り敢えずハバナ市内観光、クラシックアメ車タクシーでParque Centralへ、そこから旧市街をぶらぶら。ヘミングウェイが通ったので有名なEl Floriditaを覗き、道沿いの国営レストランでソンを聞きながらの昼食。(註;キューバの企業は基本的に国営ですが、最近はレストラン・宿泊施設・タクシー等の観光関連業は私営がかなり認められてきているとのこと。無論私営の方がはるかに味・サービスは上です。ちなみに関係ありませんが、住宅などは私有及びその売買がここ数年認められてきているとのこと。カストロからラウルに指導者が変わり、実質的にもいろいろ変わってきているようです)。食事後またブラブラが続き、海沿いにあるブンタ要塞(16世建立)の内部を覗き、スペイン時代に思いをはせる。
3時ごろ下町の方でstreet rumbaをやってるということで、タクシーを駆って移動。着いてみるとそこには我が引率者綾ちゃんの友達がうろついており、しばし彼女と旧交を温める(さすが綾ちゃんで、この後あっちこっちで旧友に出会います)。ところが何たることかルンバは終わっており(この辺は変に時間が正確)、そこで仕方なく近くのホテルでモヒート・ビールで喉を潤し、ホテルに帰還、夕食に備えて休憩。その夕食に綾ちゃんがいくら待っても現れない、しばし待つうちに電話があり、予約のタクシーが現れないとカリカリ(註;携帯電話は結構普及してます。但し料金がものすごく高いとかで、かかってきても出ないか、すぐ切っちゃうそうです。ちなみにドコモは使えますが、帰るとすごい請求が待っておりびっくりしますよ。)、我々はカリブに沈む夕日を見ながら宿のテラスで食前酒をグビグビ。
その内なんとかひと騒動後タクシーもつかまり、ディナーは綾ちゃん元下宿先の私営レストランへ。なんとそこの看板シンガーは93歳のお婆ちゃん、これがギターの弾き語りでもてなしてくれ、なかなか渋い声なのです。(註;キューバは医療水準が高いことで有名ですが、所得水準と比べると平均寿命がダントツに高く、77歳なのです。http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1620.htmlを見ると面白いです。ちなみに日本人の平均寿命が77歳になったのは1980年代の中盤です。) 食事はキューバ料理。但しワインの在庫が少なく、輸入ワインを飲み尽し、キューバワインに挑戦。ワイン通の小宮山、一口飲んで声が出ない、次に飲んで「変わってる」と一言。でも杯を重ねると、どうでもよく結局2,3本平らげました。そして夜のメインはライブ、カフェ・ジャズクラブFresa y Chocolate(苺とチョコレート)へ、元イラケレのメンバーでもあるトランペットのJulio Padrónが本日のメインですが、綾ちゃん旧知で日本に何度も来ているDavid Alfaro(p)も参加。開始予定を過ぎても延々待たされいらいら、ところが始まってみれば、中身はすごい。ボーカルあり、ダンスありのいろんな飛び入りがはいり、皆圧巻なのです。ただやはり残念なのは、ピアノがアコースティックでなく、やはり全体の音響の設定が弱いことです。終了後軽く一杯飲んで宿へ帰着。余談ながらハバナは何というか一日中騒々しく、町全体は暗いのですが、ともかくうるさい。真夜中に宿に帰っても、バス・車・犬・人の声でうるさく、ようやく寝付くと、今度は3時ごろからそこらじゅうで鶏が鳴き出します。時差ボケでただでさえ眠れない旅人にはきついものがあります。
三日目はミニバスで世界遺産のトリニダへ、所要5時間。初め100kmは高速、のちは一般道。トリニダ着は3時、町中をぶらぶら。町は石畳の残る旧市街で、中心の教会を囲むPlaza Santisimaが青い空に映えて、美しい。3月のキューバはまだそれほど暑くなく(でも半袖半ズボンがちょうど良い)、雨も少なくカラリとしてともかく快適。 トリニダで一泊して四日目は、ハバナへの帰路シエンフエゴスに昼食に寄る。小洒落た海沿いのシーフードレストランがあり、そこで大きなイセエビを食べる。これがサラダ付きコースで約US$10(註;キューバは兌換ペソと人民ペソがあり、兌換ペソは約1USドル)。新鮮でサービスも良く、当然民営食堂でした。今回は輸入ワインの在庫も豊富にあったので盛大なワイン付きランチとなりました。
ハバナ帰着は夕方、今回はHotel Parque Central新館にチェックイン(ここは今多分ハバナ一、ヨーロッパ資本が入り、設備・サービスとも5星、その分キューバらしい味はない。このホテルの旧館ロビーで綾ちゃん旧知のアンヘル、グスターボ(グループ名:デュオ・サウセ)のギターコンビが歌っており、声に伸びがあってすごい。その晩は定番トロピカーナショー見学の予定があり、ショーの前に軽く中華街で晩飯にする。中南米は意外にも中国人移民が多いので、結構期待していたが、キューバからは革命後に相当逃げ出したらしい(註;容易に想像できることだがソ連亡き後中国は現在キューバを相当支援しており、現在は第二の貿易相手国となっている。一位はベネズエラ。ただし町中ではあまり中国の存在感は無く、水面下でやってる感じ。そりゃアメリカのこと考えたら派手には出来ませんね)。キューバ・中国ハーフのウエイトレスがチャイナドレスを着てスペイン語でサービスしてくれ、なんとも奇妙な感じ、味は標準海外中華料理です。さて噂のトロピカーナですが、まー定番は分かりますが、演出が垢抜けず、如何にも国営キャバレーという感じです。そこでショーの後の口直しに、またCasa de la Músicaへ。今日はPedrito Calvo y la Justicia(Los Van Vanのリードボーカルだった)。ボーカルの女性が絶品。
五日目は昼間自由行動。松永はヘミングウェイ記念館へ。ホテルからタクシーで20分。出国前の自宅が調度品ごと丸々残ってる。ハバナの旧市街と同じで50年前で時間が止まってる感じ、良く残してる。これだけ有名なところなのにツーリストは全くおらず、その割に館員がごっちゃりいます。家からは遠くハバナの街並みが見え、「海流のなかの島々」の光景そのまま。 その晩は今旅行一回目のハイライト。綾ちゃんお友達の聖子さんが嫁いでいるキューバ一のサックス奏者César López(元イラケラの主要メンバーで、ハバナアンサンブルを率いて日本に何度も来てる)宅で、ワイン+カレーライスつきのプライベートコンサート。ハバナアンサンブルのメンバー、Emilio Martini(g), José Hermida(b)を呼んでくれ、ついでに綾ちゃんのつてでキューバの歌姫ともいわれるOsdalgia(vo)も特別参加。サックス、ギター、ベースのトリオなんて、ノリが悪いと思ってたらこれが全然よい、しっかりしたリズムにのってCésarはオールドパーと葉巻を交互にやりながら最高に歌ってました。Osdalgiaは遅れて参加、ハスキーな声でじっくりとボレロを歌い上げてくれ、ワインの酔いと相まって、最高の感動。こういう贅沢ができるのはキューバならでは、と全員大感激でした。
お礼は無論払いましたが、友達価格でやってくれ大感射でした(ご興味がおありの方は我々までお問い合わせください)。ちなみに彼らの自宅はハバナ郊外の住宅街にあり、庭・住居とも広くなかなか快適なところでした。そして、なんとそこまで感激しながらも、帰りがけに又クラブLa Zorra y El Cuervoでのライブへ。今晩はハバナアンサンブルにも在籍してたAlexis Bosch(p)のバンド、Cesarの後で今一興が乗らなかったが、最後にキューバ最高峰のティンバユニットBamboleoを率いるLazarito Valdes(p)が飛び入り参加、これで締まりました。
翌日はSDC南にあるモロ要塞へ。断崖の上に立つ砦、1638年建立、カリブの青い海と空、当時はどんなだったかと思いを馳せる。見物後、入り江の見える私営シーフードレストランで昼。大ぶりの伊勢海老、エビ、魚、それぞれコースで10ドル、素材も本当に新鮮で、サラダの野菜も新鮮(註;キューバはオーガニック野菜が美味しいということで有名らしいですが、実はそんなに感じません。化学肥料が手に入らずやむなくオーガニック栽培が発達したとか。)、ワインもたっぷり頂き、またまた大満足です。その後旧市街の広場周りをぶらぶら、カーニバル博物館など見学。ここのカーニバルは7月の暑いさなかで、やはりいろんな恰好をして町を練り歩くスタイル。リオのカーニバルとは違いこじんまりして迫力あるとのこと。夜は町中のキューバ料理で、前菜のハムがなかなか。トレスのハビエルが飛び入り参加し、お店のギター弾きと合奏、聞かせます。食後の今晩のライブはまずCasa de Boleroでソン、次いでCasa de las Tradicionesでまたソン。ここまで来ると周りはさすが黒人ばかり(SDCはハバナに比べると純粋黒人の比率が圧倒的に高い)、音楽・踊りも粘っこく、deep Cubaです。 なお我々は行きませんでしたが、カストロの生誕地ビランはSDCの北方100kmにあり、日本からのツーリストで訪れる人も多いようです。
