♠ 星野正治さん (69鑑賞部) からのメッセージ、第4話です。
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サキソフォンおたくの本、紹介です。 「サキソフォン物語―悪魔の角笛からジャズの花形へ」 マイケル・シーゲル著諸岡敏行訳 青土社 ¥2,800
添付写真の右側のがこの本、左側はその英語原本。The Devil’s Horn-The Story of the Saxophone from Noisy Novelty to King of CoolBy Michael SegellFirst published in the United States by Farrar, Straus and GirouxFirst Picador Edition: September 2006
これは著者がサキソフォンについての歴史・由来の薀蓄を伝えてくれる誠に「オタク」の本です。同時に我が友人にして、かって早大Jazz研演奏部にてアルトを吹いていた諸岡君の並々ならぬ苦労の跡が読み取れる苦心なる翻訳本でもあります。実は訳者謹呈本としてかなり前から翻訳本を頂戴していたのですが、まとまった時間が取れず、読み出すのが遅れに遅れてしまい、本業の税金の繁忙期が終わってやっと手にして読み出したら、これが面白いのでありました。
サキソフォンを生み出したアドルフ・サックスが不遇の内に亡くなったこと、またその人となりが結構反逆児であったことは意外でありました。それと関係するのかも知れませんが、その楽器が未だにヨーロッパ、アメリカの謂わゆるクラシック音楽が中々正当な地位を得られないことの経緯、も知りました。また、軍楽隊、スポーツ応援マーチングバンドの花形楽器として、アメリカでこの楽器が花咲いたことも知りました。その後はご存知のように、クラシックの楽器というよりも寧ろジャズの花形楽器として花が咲いた訳で今日に至っている訳であります。
著者は自分でもテナーサックスを吹くそうですが、クラシックやジャズの現役サックス奏者にインタビューをしています。(コルトレーンへのインタビューにないのが残念ではありますが。) また、楽器メーカーの変遷、修理についても薀蓄が語られていて、ナルホド、ソウソウ、と頷いてしまう箇所が多々ありました。
今回は長くなりましたが、ご紹介を適当に楽しんで頂ければ幸いです。 星野正治
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